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男性更年期障害(LOH症候群)

男性更年期障害(LOH症候群)とは

女性だけではなく男性にも更年期障害が存在します。
中高年就労男性のおよそ1割が更年期障害に苦しんでいるという調査もあり、近年注目が高まっています。

男性は年齢を重ねると男性ホルモン(テストステロン)が徐々に低下していきます。
男性更年期障害は男性ホルモンの低下によって様々な身体的・精神的症状が出現する病気です。
LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)とも呼ばれます。
当院では泌尿器科専門医である院長が診療にあたります。

症状

男性ホルモンは筋肉の発達、精神的安定、性機能を維持する重要な役割を担っています。
男性ホルモンが低下すると様々な症状が現れます。

症状は大きく身体症状、精神症状、性機能症状に分けられます。

身体症状

メタボリックシンドロームとの関連性も報告されています。

  • 発汗、ほてり
  • 肉体的消耗感、筋肉量、骨密度低下
  • 尿勢低下、頻尿などの排尿症状
精神症状

抑うつ病などの精神疾患と症状が類似することがあります。

  • 睡眠障害、記憶・集中力低下、気分変調
性機能症状

性機能症状は男性ホルモン低下の影響を受けやすく、高い頻度で認めます。

  • 性欲の低下
  • ED(勃起不全)
  • オルガズムの低下、遅漏、射精障害

診断・検査

診察、問診

男性更年期の症状の評価には国際的にAMS(Aging Male Symptom)スコアが用いられます。
AMSスコアは17項目についての5段階評価を総計し、合計26以下は正常、27-36は軽度、37-49は中等度、50以上は重症とします。

採血

採血を行い、テストステロン値など測定します。遊離テストステロン値が7.5pg/ml未満であれば治療が検討されます。
テストステロン値は一日の中でその数値が変動します。そのため正しい診断のためには午前中11時までに採血することが望ましいです。

エコー検査

排尿障害を認める場合は前立腺肥大症の有無をエコーで確認することがあります。

治療

治療はテストステロン(男性ホルモン)補充療法が中心になります。
テストステロンを補充して症状の改善を認めれば、男性更年期である可能性が高いと判断できます。
また、テストステロン補充療法は前立腺癌の方に行うことはできないため、事前に検査を行います。
テストステロン補充の方法は以下の注射薬と外用薬があります。

注射薬

注射薬エナント酸テストステロンを投与し確実に男性ホルモンを補充します。通常2~4週間おきに定期的に注射します。
注射後男性ホルモン値は上昇しますが、徐々に低下していくため繰り返しの投与が必要になります。

外用薬

テストステロンを含有した外用薬を毎日陰嚢などに塗布し、男性ホルモンを補充します。
注射と比較し濃度は低く、効果は限定的ですが、毎日少しずつ安定して男性ホルモンを補充できます。
当院では自費治療としてテストステロン1%含有軟膏剤のグローミンを取り扱っています。

その他

効果には個人差がありますが、漢方薬をテストステロン補充療法を行えない方に使用することがあります。

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